筋膜リリース
金スマで「筋膜リリース法」が紹介されていました。以前、「ためしてガッテン」にも出ていた大学の先生です。筋膜の歪みや血流量不足で固くなった筋肉を超音波画像で見たり、科学的にコリを検証するのはとても興味深いです。単なる経験則だけではなく、施術効果を客観的なデータで示し、知識や技術として体系化していくことは非常に重要なことだと思います。整体やマッサージの効果を科学的に研究する学者さんがもっと増えて欲しいと思っています。
さて番組で紹介された「筋膜リリース法」ですが、確かに筋膜の歪みがある部分は筋肉が固くなっていますが、それ以外の部分にも固くなっている箇所があるのを無視して「コリの原因はすべて筋膜の歪みにある」と言い切るのは“科学的”に間違っています。また、ゆがんだ筋膜をリリースする体操が紹介されましたが、結局やっていることはストレッチでした。筋膜リリースの効果を強調するためのテレビ的演出であり、先生が悪いわけではないでしょうが…。
筋膜リリースを提唱する施術者は他にもいらっしゃいますが、やはり同じように筋膜のゆがみについての解説が長々とあって、肝心の対処方法はというと普通のオイルマッサージと変わらなかったりします。「歪んだ筋膜をほぐすイメージ」でやっているだけです。そうしたイメージを持って施術することはもちろん大事なことです。
書店にならぶ、ほとんどの健康本は同じような構成で、異なる理論や施術法を否定する解説をすることで、これまでの常識は間違っていた!と強調しておきながら、施術方法は既存の方法と大差ないという場合がほとんどです。キャッチーなコピーをつけなければ本は売れないのでしょうが、整体師の勉強として役に立つ健康本は本当に少ないです。
指圧もストレッチもオイルマッサージもヨガも、それなりに効果があるから存在し続けているわけで、人それぞれに一番合った健康法を見つけて、とにかく日常的に“続ける”ことが大事なのだと思います。
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